工業簿記(費目別計算・個別原価計算)応用
当工場では3つの製造部門(A部門・B部門・C部門)があり、個別原価計算を行っています。製造間接費は各部門とも年度当初に算定した予定配賦率(部門別製造間接費予算÷基準操業度)を用いて、各部門自身の実際操業度に予定配賦率を掛けて配賦しています。配賦基準はA部門が直接労務費、B部門が機械時間、C部門が生産量です。当月、B部門の機械故障により機械時間が大幅に減少した場合、C部門の製品原価にはどのような影響が生じるか。
A.C部門の配賦基準が生産量であるため、B部門の機械故障の影響を受けない← 正解
✓ 正解です。予定配賦率は部門ごとに年度当初あらかじめ独立して算定されており、予定配賦額は各部門自身の実際操業度を用いて計算します。B部門の機械時間が変動しても、生産量を基準とするC部門の予定配賦率・配賦額の計算式には数式上何の影響も及ぼしません(B部門自身には配賦差異(操業度差異)が生じます)。
B.B部門の間接費がC部門に転嫁されるため、C部門の製品原価が上昇する
✗ 間違い。予定配賦を用いる限り、B部門の間接費がC部門へ直接転嫁されることはありません。
C.工場全体の間接費が変わらなければ、各部門の配賦率の変動により相互に影響する可能性がある
✗ 間違い。予定配賦率は部門ごとに独立してあらかじめ算定されるため、他部門の実績変動によって事後的に変動することはなく、本問のケースでC部門に影響が及ぶことはありません。
D.機械故障は直接費に関連しないため、製造間接費の計算には一切影響しない
✗ 間違い。「製造間接費の計算に一切影響しない」という点が誤りです。機械時間の減少はB部門自身の実際操業度と予定配賦額の差(操業度差異)には影響を及ぼします(C部門への影響がないことと、B部門自身に影響がないことは別の話です)。
この問題のポイント
予定配賦率は部門ごとに年度当初あらかじめ独立して算定されており、予定配賦額は各部門自身の実際操業度を用いて計算します。B部門の機械時間が変動しても、生産量を基準とするC部門の予定配賦率・配賦額の計算式には数式上何の影響も及ぼしません(B部門自身には配賦差異(操業度差異)が生じます)。