会社法・商法応用問題
取締役会を設置する株式会社Dにおいて、代表取締役が重要な営業上の契約を自分の判断だけで決定しました。この後、その契約が会社に大きな損失をもたらしました。この場合、どのような法的問題が生じるか。
A.代表取締役の行為は代理権に基づくため、会社が損失を受けても法的責任は生じない
✗ 誤りです。代表取締役の代理権にも内部的な制限があり、重要事項については取締役会決議が要求される場合があります。決議なく決定すれば責任が生じます。
B.代表取締役であっても、重要な案件は取締役会の決議を経るべきであり、決議なく決定した場合は会社に対する損害賠償責任が生じる可能性がある← 正解
✓ 正解です。取締役会を設置する会社では、重要な経営判断については取締役会の決議を経る必要があり、決議なく決定した代表取締役は会社に対して損害賠償責任を負う可能性があります。
C.代表取締役の決定に対しては、事後的に株主総会で承認を得れば、すべての法的責任は消滅する
✗ 誤りです。事後承認により過去の違法行為の法的責任が自動的に消滅することはなく、損害賠償請求は可能です。
D.重要な契約は代表取締役の権限を超えるため、当該契約は自動的に無効となり、会社は責任を負わない
✗ 誤りです。代表取締役の権限は外部に対して広いため、契約は有効に成立しますが、内部的には責任が生じることがあります。