民法の基礎計算
Iさんが弁済期2023年3月31日の1,200万円の貸金債権をHさんに対して保有しています。弁済期の3か月前である2023年1月1日に、債務者Hさんがこの債権について消滅時効を援用しようとしました。この援用は有効ですか?
A.有効です。時効期間内であれば援用できます。
✗ 時効期間内であっても、消滅時効は弁済期(権利を行使できる時)が到来していなければ進行を開始しないため、弁済期前の援用は無効です。
B.無効です。弁済期が到来していなければ援用できません。← 正解
✓ 正解です。消滅時効は弁済期(権利を行使できる時)から進行を開始します(民法166条1項)。弁済期である2023年3月31日より前の2023年1月1日時点では時効はまだ進行しておらず、援用は無効です。
C.有効です。ただし利息部分のみです。
✗ 消滅時効の援用は債権全体に対してなされるものであり、利息部分のみに限定して援用することはできません。
D.無効です。弁済期から10年が経過しなければなりません。
✗ 弁済期から一定期間が必要なのは正しいですが、改正民法では「知った時から5年または権利を行使できる時から10年」のいずれか早い方が適用されます。いずれにせよ弁済期前の援用は無効です。
この問題のポイント
消滅時効は弁済期(権利を行使できる時)から進行を開始します(民法166条1項)。弁済期である2023年3月31日より前の2023年1月1日時点では時効はまだ進行しておらず、援用は無効です。