環境測定・分析応用

原子吸光光度法で鉛(Pb)を測定する際、試料に多量のカルシウム(Ca)が共存していた場合、どのような影響が生じるか。

A.Caは鉛の共鳴線(283.3 nm)を吸収するため、Pb濃度が高く測定される
✗ CaはPbの共鳴線(283.3 nm)を直接吸収する分光干渉を起こしにくく、主な干渉は化学的干渉(原子化抑制)である。
B.Caはフレーム中でPbの原子化を促進するため、Pb測定値が高くなる
✗ 多量のCaが共存すると、Pbの原子化は促進されるのではなく、逆に難解離化合物の生成により抑制される傾向がある。
C.Caはフレーム中でリン酸Pbなどの難解離化合物を形成させ、Pbの原子化を抑制して測定値が低くなる← 正解
✓ 正解です。多量のCaが共存するとフレーム中でCaがリン酸等と結合してPbの原子化を妨げる化学的干渉が生じ、Pbの測定値が実際より低くなることがある。
D.CaはPbと同族元素であるため、Pbの測定値に影響を与えない
✗ CaはIIA族(アルカリ土類金属)、PbはIVA族であり同族ではない。また元素が異なれば化学的干渉を起こしうる。

この問題のポイント

多量のCaが共存するとフレーム中でCaがリン酸等と結合してPbの原子化を妨げる化学的干渉が生じ、Pbの測定値が実際より低くなることがある。