行政法応用問題
行政庁が私人Dに対して適法に営業許可を付与した後、周辺住民からの苦情増大という新たな事情が生じた。行政庁がこの新事情を理由に許可を取り消す場合、法的にはどのように評価されるか。最も適切なものはどれか。
A.これは行政行為の「撤回」に当たり、遡及効はなく将来に向かって効力を失わせる行為である。← 正解
✓ 正解です。処分後に生じた新たな事情を理由とする取消しは「撤回」であり、将来効を持ち、遡及しません。
B.これは行政行為の「職権取消し」に当たり、当初の許可に瑕疵があったことを前提とする行為である。
✗ 職権取消しは当初の処分に存在した瑕疵を理由とするものです。新事情による取消しは撤回として区別されます。
C.行政庁は許可処分を行った後はいかなる理由があっても取り消すことができず、司法審査を経る必要がある。
✗ 行政庁は公益上の必要がある場合等に撤回を行う権限を有します。司法審査を経なければならないとする規定はありません。
D.これは行政行為の「撤回」に当たり、当初の許可の瑕疵を理由とする取消しと同一の効果を持つ。
✗ 撤回は将来効のみを持ち、遡及効はありません。職権取消しの遡及効と混同しないよう注意が必要です。