行政法応用問題
取消訴訟の審理中に、処分行政庁が訴訟の係属を知りながら当該処分を職権で取り消した。この場合、取消訴訟の訴訟要件である「訴えの利益」はどのようになるか。最も適切なものはどれか。
A.処分が職権で取り消されても、行政庁の違法な行為を確認するためにそのまま訴訟を継続することができる。
✗ 単に行政庁の違法確認のためだけでは取消訴訟の訴えの利益を維持する根拠とはなりません。原則として訴えの利益が問題となります。
B.処分が職権取消しにより遡及的に消滅すると、原告は当該処分の取消しを求める法律上の利益が消滅し、訴えの利益が失われる場合がある。← 正解
✓ 正解です。処分が職権取消しにより遡及的に消滅した場合、取消しを求める法律上の利益が消滅し、訴えの利益が失われ却下となる場合があります。
C.行政庁が訴訟係属中に職権取消しをした場合、裁判所は必ず原告勝訴の判決を下さなければならない。
✗ 訴訟係属中に処分が取り消されても、裁判所は自動的に原告勝訴判決を下すわけではなく、訴えの利益の有無を審査します。
D.処分が取り消されてもすでに生じた損害が残存するため、訴えの利益は消滅せず、訴訟は常に適法に継続する。
✗ 損害の残存が訴えの利益を維持する場合もありますが、それは例外的な場合であり、常に訴えの利益が維持されるわけではありません。