民法比較

民法上の「錯誤」と「詐欺」による意思表示の取扱いに関する記述として、最も適切なものはどれか。

A.錯誤による意思表示は取り消すことができるが、詐欺による意思表示は当然に無効となる。
✗ 詐欺による意思表示も取消しの対象であり(民法96条1項)、当然に無効となるわけではありません。錯誤も取消事由です(民法95条1項)。
B.錯誤による取消しも詐欺による取消しも、いずれも善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。← 正解
✓ 正解です。詐欺による取消しは善意無過失の第三者に対抗できません(民法96条3項)。2020年施行の改正民法では錯誤についても同様の第三者保護規定が新設され(民法95条4項)、錯誤による取消しも善意無過失の第三者に対抗できない点で詐欺と対称的に扱われます。
C.錯誤による取消しも詐欺による取消しも、どちらも第三者への対抗可否について民法上の規定はない。
✗ 詐欺による取消しと第三者の関係については民法96条3項に、錯誤による取消しと第三者の関係については(2020年施行の改正で新設された)民法95条4項に、それぞれ明文の規定があります。両者に規定がないという記述は誤りです。
D.詐欺による意思表示は取り消すことができるが、錯誤による意思表示は重大な過失がある場合に限り取り消せる。
✗ 錯誤による取消しは、表意者に重大な過失がある場合は原則として主張できなくなります(民法95条3項)。記述の因果関係が逆になっており誤りです。

この問題のポイント

詐欺による取消しは善意無過失の第三者に対抗できません(民法96条3項)。2020年施行の改正民法では錯誤についても同様の第三者保護規定が新設され(民法95条4項)、錯誤による取消しも善意無過失の第三者に対抗できない点で詐欺と対称的に扱われます。