民法応用問題

AはBに対して土地を売却する契約を締結したが、その後Aが死亡した。Aの相続人はC・D(子2名)のみであり、遺産としては当該土地の売買契約上の売主としての地位(売買代金債権等)がある。C・DがAの債務も含めて法定相続分どおりに相続した場合、BはCに対して土地の引渡しを求めることができるか。最も適切なものはどれか。

A.Cは売主たる地位を単独で承継するため、BはCに対してのみ土地全部の引渡しを求めることができる。
✗ 売主の地位はC・D双方に法定相続分に従って承継されるため、Cが単独で売主たる地位を承継するわけではありません。
B.売主の地位はC・Dが各2分の1ずつ承継するが、土地の引渡し義務は不可分債務であるため、BはCに対して土地全部の引渡しを請求できる。← 正解
✓ 正解です。土地の引渡し義務は性質上不可分債務であり(民法430条・428条)、各承継人は全部の履行義務を負うため、BはCに対して土地全部の引渡しを請求できます。
C.売主の地位はC・Dが各2分の1ずつ承継するため、BはCに対して土地の持分2分の1の引渡しのみを求めることができ、土地全部の引渡しは請求できない。
✗ 引渡し義務が不可分債務である以上、持分の引渡しのみに限定されず、BはCに対して土地全部の引渡しを請求できます。
D.Aが死亡した時点で売買契約は当然に失効するため、BはCに対して土地の引渡しを求めることができない。
✗ 相続が開始しても売買契約は失効せず、相続人が売主としての権利義務を承継します(民法896条)。