憲法応用問題

私立大学が学生に対して退学処分を下した場合、その処分を受けた学生が日本国憲法第23条の「学問の自由」の侵害を理由に処分の取消しを求めることができるか。最高裁判所の判例の立場として最も適切なものはどれか。

A.私立大学は国家機関ではないため憲法の人権規定は直接適用されないが、私立大学の自律的判断は司法審査の対象となる。← 正解
✓ 正解です。判例(昭和52年富山大学事件等)は、私立大学の処分に憲法の人権規定は直接適用されないとしつつも、一定の事項については司法審査が及ぶとしています。
B.憲法の人権規定は私人間にも直接適用されるため、学生は憲法第23条を直接援用して処分の取消しを求めることができる。
✗ 最高裁は憲法の人権規定の私人間への直接適用を原則否定しており、間接適用説が通説・判例の立場です。
C.私立大学の退学処分は大学の自律的判断に委ねられており、司法審査は一切及ばない。
✗ 最高裁は大学の自律的判断を尊重しつつも、一定の法律上の権利・利益に関わる場合は司法審査が及ぶとしており、一切排除するわけではありません。
D.私立大学の退学処分は行政処分に準じるため、行政事件訴訟法に基づく取消訴訟によって争うことができる。
✗ 私立大学は行政庁ではなく、その退学処分は行政処分に当たらないため、行政事件訴訟法上の取消訴訟の対象とはなりません。