労働法(応用)応用問題
会社Gの職場において、上司Hが部下Iに対して継続的に業務上の適正範囲を超えた精神的苦痛を与える言動を行っていた場合、パワーハラスメント(パワハラ)への対応に関する記述として、最も適切なものはどれか。
A.労働施策総合推進法(パワハラ防止法)は大企業のみに適用され、中小企業には防止措置義務は課されていない。
✗ 労働施策総合推進法のパワハラ防止措置義務は、2022年4月から中小企業にも適用が拡大されており、現在は全企業が対象です。
B.会社Gがパワハラ防止のための相談窓口を設置していれば、実際にパワハラが発生しても会社Gの法的責任は免除される。
✗ 相談窓口の設置は必要な措置の一つですが、設置だけで責任が免除されるわけではありません。実効的な対応をしなければ使用者責任を問われる可能性があります。
C.上司Hの行為が不法行為に該当する場合、被害者Iは上司H個人だけでなく、会社Gに対しても使用者責任(民法715条)に基づく損害賠償を請求できる可能性がある。← 正解
✓ 正解です。上司Hの行為が不法行為(民法709条)に当たる場合、会社Gは使用者責任(民法715条)を負い、被害者Iは会社Gへも損害賠償請求が可能です。
D.パワハラの認定には、被害者Iが精神疾患を発症したことが必須要件であり、精神疾患の発症がなければパワハラとは認定されない。
✗ パワハラの認定に精神疾患の発症は必須要件ではありません。業務上の適正範囲を超えた言動により精神的苦痛を与えた時点でパワハラに該当し得ます。