契約・ライセンス実務比較問題
著作権の譲渡契約と著作物の利用許諾(ライセンス)契約の違いに関する記述として、最も適切なものはどれか。
A.著作権の譲渡契約では著作者人格権も同時に移転するが、利用許諾契約では著作者人格権は移転しない。
✗ 著作者人格権は一身専属権であり(著作権法59条)、譲渡契約によっても移転しません。著作権(財産権)のみが譲渡の対象です。
B.著作権の譲渡契約は書面で締結しなければ効力が生じないが、著作物の利用許諾契約は口頭でも有効に成立する。
✗ 著作権の譲渡契約は書面要件がなく口頭でも成立しうるのが原則です(ただし証拠上書面化が望ましい)。書面必須という記述は誤りです。
C.著作権の譲渡を受けた者は原則として著作権者として第三者に対して侵害の差止請求ができるが、利用許諾を受けたライセンシーは原則として自己の名義で差止請求をすることができない。← 正解
✓ 正解です。著作権の譲渡を受けた者は著作権者として差止請求権(著作権法112条)を行使できますが、利用許諾のみのライセンシーは原則として自己の名義で差止請求はできません。
D.著作権の利用許諾契約は当事者が死亡した場合には自動的に契約が終了するが、著作権の譲渡契約は相続人に効力が及ぶ。
✗ 利用許諾契約が当事者の死亡で自動終了するかは契約内容によります。著作権も財産権として相続対象となりますが、利用許諾契約の帰趨は一律に自動終了するわけではありません。