契約・ライセンス実務比較問題

専用実施権と通常実施権の違いに関する記述として、最も適切なものはどれか。

A.専用実施権者は特許権者の許諾がなくても第三者に再実施権を許諾できるが、通常実施権者は特許権者の許諾がなければ再実施権を許諾できない。
✗ 専用実施権者も再実施権(再許諾)には特許権者の承諾が必要です(特許法77条4項)。通常実施権者についての記述は正しいですが、全体として誤りです。
B.専用実施権は特許原簿への登録が効力発生要件であるが、通常実施権は登録が対抗要件にすぎず、登録がなくても当事者間では効力が生じる。
✗ 専用実施権は登録が効力発生要件である点は正しいですが、通常実施権も登録により第三者対抗要件を備える制度があり、「対抗要件にすぎない」という表現は不正確です。
C.専用実施権者は自己の名義で特許権侵害訴訟を提起できるが、通常実施権者は侵害があっても自己の名義で差止請求訴訟を提起することはできない。
✗ 通常実施権者は原則として自己の名義で差止請求訴訟を提起できませんが、専用実施権者は侵害訴訟提起が可能である点は正しく、前半は正しい記述です。ただし通常実施権者でも損害賠償請求は可能な場合があります。
D.専用実施権の設定を受けた者は、設定された範囲内で特許権者自身も実施できなくなるが、通常実施権の許諾を受けた者は、特許権者の実施を制限することはできない。← 正解
✓ 正解です。専用実施権が設定された範囲では特許権者自身も実施できなくなる独占的地位が生じる一方、通常実施権は非独占的であり特許権者の実施を制限しません。

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