ストレス関連疾患・法的側面応用問題

従業員Eが上司Fから継続的に過大な業務を課され、人格を否定する発言を受け続けた結果、うつ病を発症し労災申請を行った。この事案でEの遺族(仮にEが自殺した場合)が企業に対して民事上の安全配慮義務違反に基づく損害賠償請求を行う際、企業側の免責(または賠償額の減額)が認められる可能性がある法的根拠として、最も適切なものはどれか。

A.労働者Eが自らハラスメントを誘発する行動をとっていたことを理由とする「使用者免責条項」
✗ 労働法・民法上、被害者側の誘発行為を理由とする「使用者免責条項」は一般的に認められておらず、法的根拠として不適切である。
B.EがFの行為をセクシュアルハラスメントであると誤認していたことを理由とする「錯誤の抗弁」
✗ 錯誤の抗弁はハラスメントの種類の誤認に基づくものであり、安全配慮義務違反の免責根拠としては法的に認められない。
C.EがFから受けた行為を会社に報告せず自己対処しようとしたことなどを考慮する「過失相殺」← 正解
✓ 正解です。民法上の過失相殺(民法418条・722条2項)として、被害者側の落ち度(報告義務の懈怠等)が損害額の算定に考慮される場合があり、実際の判例でも認められることがある。
D.労災保険給付が支給された場合は民事損害賠償請求権が全額消滅する「労災免責」
✗ 労災保険法12条の4により、労災給付がなされた場合は同一事由の損害について賠償責任が一部填補されるが、民事賠償請求権が「全額消滅」するわけではない。

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