ストレス関連疾患・法的側面応用問題

ある従業員が長期間の過重労働により脳血管疾患を発症し、業務上災害として労災認定された。この場合、使用者(企業)が民事上の損害賠償責任を問われる根拠として、最も適切な説明はどれか。

A.労働者が労災保険給付を受けた場合、使用者はすべての民事賠償責任から免責される。
✗ 労災保険給付は使用者の民事賠償責任を免除するものではなく、給付額を控除した残額について損害賠償請求が可能です。
B.使用者は安全配慮義務違反(債務不履行)または不法行為責任を根拠として民事上の損害賠償責任を負う可能性があり、労災保険給付との差額について請求を受けることがある。← 正解
✓ 正解です。労災認定の有無にかかわらず、使用者は安全配慮義務違反(民法415条)または不法行為(民法709条)を根拠に民事責任を負い得ます。
C.民事上の損害賠償請求は、労災認定がなされた場合に限り、当該認定から3年以内に提起しなければならない。
✗ 民事上の損害賠償請求権の消滅時効は、債務不履行では5年、不法行為では3年(知った時から)であり、労災認定日を起算点とする規定はありません。
D.労災認定は厚生労働省の行政判断であるため、裁判所はその認定に拘束され、独自に安全配慮義務違反を判断することはできない。
✗ 裁判所は労災認定に拘束されず、独自に安全配慮義務違反の有無を判断することができます。

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