ストレス関連疾患・法的側面応用問題
従業員が業務上の強いストレスを起因として自殺した場合、遺族が企業に対して民事上の損害賠償を請求する訴訟を提起したとき、企業が責任を免れるための主な抗弁として、最も適切なものはどれか。
A.自殺は本人の自由意思による行為であるから、業務との因果関係は常に否定され、企業は一切の責任を負わない。
✗ 判例上、業務上のストレスが自殺の起因となった場合、自由意思の抗弁のみで免責されるとはされておらず、企業責任が認められた事例があります。
B.企業側は、労働者のメンタルヘルス不調の予見可能性がなかったこと、または予見できたとしても結果回避のための適切な措置を講じていたことを立証することで、安全配慮義務違反を争う余地がある。← 正解
✓ 正解です。安全配慮義務違反の成立には予見可能性と結果回避義務が要件であり、これらを否定することが企業側の主な抗弁となります。
C.労災保険の遺族補償給付が支払われた時点で、企業の民事賠償責任はすべて消滅する。
✗ 労災保険給付は企業の民事賠償責任を全額免除するものではなく、給付額を超える損害については請求が可能です。
D.自殺の直接原因が精神疾患(うつ病等)であれば、精神疾患は業務外の個人的疾患として扱われ、企業の責任は生じない。
✗ 業務起因のうつ病による自殺は業務上疾病として認定される場合があり、精神疾患であることを理由に企業責任が免除されるわけではありません。