契約法務比較
「消費貸借契約」と「使用貸借契約」の違いに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
A.消費貸借契約も使用貸借契約も、目的物を受け取った時点で成立する要物契約であり、当事者の合意のみでは成立しない。
✗ 消費貸借契約は原則として要物契約ですが(民法587条)、書面による消費貸借は諾成契約として成立します(民法587条の2)。使用貸借契約は改正民法により諾成契約となっています(民法593条)。両者が常に要物契約とはいえません。
B.使用貸借契約では借主は目的物を無償で使用収益した後に同種・同等・同量の物を返還する義務を負い、消費貸借契約では借主は目的物そのものを返還する義務を負う。
✗ 記述が逆です。同種・同等・同量の物を返還するのは消費貸借契約であり、目的物そのものを返還するのは使用貸借契約です。
C.消費貸借契約では借主が目的物を消費し、後に同種・同等・同量の物を返還する義務を負うが、使用貸借契約では借主は目的物を使用収益した後にその目的物自体を返還する義務を負う。← 正解
✓ 正解です。消費貸借(民法587条)は目的物を消費し同種・同等・同量の物を返還する契約であり、使用貸借(民法593条)は目的物を使用収益した後にその目的物自体を返還する契約です。
D.使用貸借契約は有償契約であり、借主は貸主に対して使用の対価を支払う義務を負う。
✗ 使用貸借契約は無償契約であり(民法593条)、借主は貸主に対して使用の対価を支払う義務を負いません。対価を伴う場合は賃貸借契約となります。
この問題のポイント
消費貸借(民法587条)は目的物を消費し同種・同等・同量の物を返還する契約であり、使用貸借(民法593条)は目的物を使用収益した後にその目的物自体を返還する契約です。