リスクのマネジメント応用問題
T社は中堅の小売業者であり、従来は「リスク保有」を基本方針としてほとんどの損失を自社で負担してきた。しかし、今期において大規模な自然災害が発生し、1店舗が全壊、復旧費用として1億2,000万円の損失が生じた。この経験を踏まえ、T社がリスクファイナンシングの方針を見直す場合、最も適切な対応はどれか。
A.今回の被害は極めて稀な事象であるため、引き続きリスク保有を継続し、内部留保を厚くすることのみで対応する。
✗ 高影響リスクをすべて内部留保のみで対応することは財務的に脆弱であり、リスクファイナンスの見直しとしては不十分です。
B.すべてのリスクを保険でカバーする方針に切り替え、全損失を保険移転することで自社の財務負担をゼロにする。
✗ すべてのリスクを保険移転することは現実的でなく、保険料コストが過大となります。リスクの種類・大きさに応じた使い分けが必要です。
C.リスクの大きさと自社の財務体力を踏まえ、高影響リスクには保険等によるリスク移転を組み合わせ、小規模リスクは引き続き保有するなど、ポートフォリオ的にリスクファイナンスを再設計する。← 正解
✓ 正解です。リスクの大きさと財務体力に応じてリスク移転と保有を組み合わせるポートフォリオ的アプローチが最も適切な見直し方法です。
D.リスク保有からリスク回避へ方針を転換し、自然災害リスクのある地域での店舗展開を全面的に中止する。
✗ リスク回避(事業撤退)は一つの選択肢ですが、すべての自然災害リスク地域から撤退することは事業機会の喪失につながり過剰対応です。