知財リスクマネジメント応用問題
C社は自社製品に関する特許権を保有していたが、競合D社が類似製品を販売し始めた。C社が特許侵害訴訟を提起したところ、D社は当該特許について無効審判を請求した。この場合のC社のリスクとして最も適切な記述はどれか。
A.無効審判は特許庁に係属するため、特許侵害訴訟の審理には一切影響せず、C社は訴訟を継続できる。
✗ 裁判所は特許無効の抗弁を審理でき(キルビー最高裁判決以降)、無効審判の動向が侵害訴訟の審理に実質的な影響を与える場合があります。
B.無効審判で特許が無効と判断された場合、特許権は初めから存在しなかったものとみなされるため、C社はD社に対する損害賠償請求権を失うリスクがある。← 正解
✓ 正解です。無効審判で特許無効が確定すると特許権は初めから存在しなかったものとみなされ(特許法125条)、損害賠償請求権の根拠が失われるリスクがあります。
C.無効審判が請求されると特許権の効力は自動的に停止するため、C社はD社の製造販売を差し止めることができなくなる。
✗ 無効審判の請求によって特許権の効力が自動停止する制度はありません。審決が確定するまでは特許権の効力は継続します。
D.D社が無効審判を請求した場合、C社は特許権を自発的に放棄しなければならない義務が生じる。
✗ 無効審判が請求されても特許権者にその放棄義務は生じません。C社は審判手続き内で特許の有効性を主張・立証できます。