知財リスクマネジメント応用問題
I社は海外企業J社とライセンス契約を締結し、I社の特許技術をJ社に供与していた。契約期間中にJ社が経営破綻し、破産手続きが開始された。この場合、I社が直面するリスクとして最も適切な記述はどれか。
A.J社の破産によりライセンス契約は自動的に解除され、I社はロイヤルティを全額回収した上で第三者に新たなライセンスを付与できる。
✗ ライセンス契約は破産によって自動解除される訳ではなく、破産管財人の判断次第で契約が承継されるケースもあります。
B.J社の破産管財人がライセンス契約を承継した場合、未払いロイヤルティの回収が困難になるリスクや、J社が保有していたサブライセンシーとの関係整理が必要となるリスクがある。← 正解
✓ 正解です。破産管財人による契約承継の可能性、未払いロイヤルティが破産債権として扱われ回収困難になるリスク、サブライセンスの取扱い等、複合的なリスクが生じます。
C.破産手続き中はI社の特許権そのものが凍結されるため、I社は第三者へのライセンス付与が制限される。
✗ 相手方の破産によってI社の特許権そのものが凍結されることはありません。I社は特許権者として第三者へのライセンスを継続して付与できます。
D.J社の破産はI社の特許権に影響しないため、I社はJ社に対するロイヤルティ請求権を最優先債権として全額回収できる。
✗ 未払いロイヤルティは一般破産債権として扱われることが多く、最優先での全額回収は通常困難です。財団債権に該当しない限り按分弁済となります。