民法(契約・不法行為・相続)応用問題

マンション管理組合の管理者Aが、管理規約に反して独断でエレベーターの保守業者をXからYに変更する契約をYと締結した。区分所有者の多数がこれを知って異議を唱えた。この場合の法的処理として最も適切なものはどれか。

A.管理者は管理組合を代理する権限を有するため、AY間の契約は常に有効であり、管理組合は拘束される。
✗ 管理者の代理権には管理規約や集会決議による制限があり(区分所有法26条)、権限外の行為の場合には相手方の善意・悪意によって効力が異なる場合があります。
B.YがAの管理規約違反の行為であることを知っていた(悪意)場合、管理組合はAY間の契約の効力を否定できる可能性がある。← 正解
✓ 正解です。代理人が権限を逸脱した行為(権限外行為・表見代理に関連)において、相手方Yが悪意の場合、本人(管理組合)は契約の効力を否定できる可能性があります(民法110条の趣旨)。
C.管理規約に反する行為であっても、Aが管理者として締結した契約は区分所有法上すべて有効である。
✗ 管理者の権限は管理規約と集会決議によって制限されており(区分所有法26条2項)、これを逸脱した行為がすべて有効となるわけではない。
D.区分所有者全員がAの行為に異議を唱えた場合、AY間の契約は当然に無効となる。
✗ 区分所有者全員の異議は事後的な反対意思表示であり、これだけで当然に契約が無効となるわけではない。相手方の信頼保護の観点から慎重な判断が必要です。

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