民法(契約・不法行為・相続)応用問題
Aが死亡し、相続人としてBとCがいた。BはAの唯一の財産であるマンションの区分所有権(評価額3,000万円)を単独で相続する旨の遺産分割協議を締結したが、その後Bが当該区分所有権を第三者Dに売却してしまった。Cが未分割のまま法定相続分(2分の1)を主張した場合の説明として、最も適切なものはどれか。
A.Cは遺産分割協議の合意を理由にBに対して1,500万円の代償金を請求できる。
✗ 遺産分割協議でBが単独相続する場合、通常はCへの代償金支払いが合意内容に含まれる必要があり、記述だけでは不十分。ただし設問の論点はBの協議違反への対応であるため、この選択肢は問いの核心と一致しない。
B.遺産分割協議はBとCの合意による契約であり、Bの合意違反があればCはこの協議を解除して法定相続分を主張できる。← 正解
✓ 正解です。判例(最判平成元年)は、遺産分割協議は相続人間の契約であるものの、相続法の特性から民法541条の債務不履行による解除は適用されず、Cは協議解除を主張できないとしています。
C.DがBの単独所有と信じていた場合、Dは善意取得を主張して所有権を取得できる。
✗ 不動産の取引において民法の「善意取得」(即時取得)は動産にのみ適用され、不動産には適用されない。Dは善意取得を主張できない。
D.遺産分割前に生じたDへの登記がなければ、CはDに対して自己の法定相続分である2分の1の持分を主張できる。
✗ 最高裁判例によれば、遺産分割前の相続分は登記なしに第三者に対抗できるが、分割後に単独所有となった場合はその旨の登記が対抗要件となる。設問はより複雑な状況のため単純に正しいとはいえない。
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