民法(契約・不法行為・相続)応用問題

マンションの区分所有者Aが、隣人Bの過失による漏水事故により、自室の内装に200万円の損害を被った。Aは損害賠償請求権を取得したが、その後AはBに対してこの損害賠償債権を含む一切の債権を放棄するとする合意書に署名した。その後AはCに対して当該損害賠償債権(200万円)を譲渡したと主張した。この場合の法的処理として最も適切なものはどれか。

A.AはBとの債権放棄合意前にCへの債権譲渡を行っていれば、Cへの譲渡は有効となる可能性がある。← 正解
✓ 正解です。AがBと債権放棄合意をする前にCへの譲渡を行っていれば、譲渡した時点でAは権利者ではなくなるため、その後の放棄合意はCの権利に影響を与えない可能性があります。
B.債権放棄は一方的な意思表示であるため、Bの合意は不要であり、AはBへの通知のみで債権を消滅させられる。
✗ 債権放棄はAの一方的意思表示で可能ですが、「BとAの合意書に署名」とある本問は、合意による債務免除(民法519条)の問題であり、Bの合意を要します。
C.Aが債権を放棄した後でも、Cへの譲渡通知をBに行えば、Cは200万円を請求できる。
✗ Aが有効に債権を放棄・免除した後は当該債権は消滅しており、存在しない債権を譲渡することはできない。Cへの通知をしても請求権は発生しない。
D.AとBの債権放棄合意は第三者Cを拘束しないため、Cは常にBに対して200万円を請求できる。
✗ 債権の免除は当事者間のみならず債権の消滅という効果をもたらすため、債権そのものが存在しなくなる。Cは消滅した債権を行使することはできない。

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